日本貸金業協会の平成30年に直近3年間の借金をした人の理由が興味深い。
- 趣味/娯楽(レジャー、旅行を含む)費 47.6%
- 食費 24.4%
- 外食等の遊興費 16.6%
- 家賃の支払い(住宅ローンの返済を除く) 14.6%
- 自動車の購入費(車検整備費等を含む) 13.4%
- 医療費 13.1%
- 納税・納付などの支払 13.1%
- 授業料、保育料、給食費等の学校関係費 12.5%
- 衣料費 12.4%
- 冠婚葬祭費 10.6%
- 通信費(電話料金やインターネット利用料等) 10.1%
- 水道・光熱(電気・ガス等)費 9.9%
- 住宅ローン等の返済資金不足の補填 8.7%
- ギャンブル 7.7%
- 学習教材等の教育関係費 7.1%
- 住宅のリフォーム費 5.6%
- 資格試験・受験勉強のための予備校等受講料 3.8%
- 資格試験・学校等の受験費 3.7%
- その他 4.4%
「趣味/娯楽(レジャー、旅行を含む)費」と「ギャンブル費」の2つを足すと55.3%と借金理由の半分以上。
ほとんどの借金は、普通に生活をしていたら「まったく必要のないお金」を作り出すために借金をするという状態。
借金をした理由は「将来の臨時収入や収入の増加などを見込んだ 支出の先取り」で、後からお金が入るから、その時に返せばいいやと楽観的な借り方が39.4%と圧倒的。
会社の倒産やリストラなど当たり前にある時代に、自分は大丈夫!と強気の姿勢ですね。
不動の人気!ギャンブル借金
借金の理由で昔から続いているのがギャンブル借金。
今だにこんなことで借金するんだなと。
ギャンブルはお金を簡単に増やしたいから、やる人が多くいると思うんですが、現実はもれなくお金が減っていく負けゲーム。
冷静に考えたらすぐわかります。
ギャンブルは必ず胴元(運営側)が儲けないと、会社として継続できないので絶対に客は損をするシステムになってます。
「私は損をしてもいいから、来てくれたお客さんは必ず儲けて帰ってください!」という頭がおかしい経営者はいません。
日本のギャンブルで代表的な「パチンコ・パチスロ」「競馬」の還元率を見てみましょう。
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・パチンコ・パチスロ
80~85%
・競馬
70~80%
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「還元率」というのは使った額に対して、いくら戻ってくるかの指標。
例えばパチンコ・パチスロなら還元率が80~85%なので、10000円使うと8000円~8500円戻ってくる計算。
「2割のお客さんには儲けて帰ってもらうけど、残りの8割には損をして帰ってもらおう」となっているのがパチンコ、パチスロ。
やればやるほど確実に「損」をするゲームに、お金を増やそうとのめり込む常軌を逸した行動をしているんです。
ギャンブルで負けて、取り戻そうと借金をしてさらに負ける。さらに取り戻そうと借金をしてまた負ける、、、底なし沼にハマるのは当然の結果。
快感を得られるものが借金の原因になりやすい
なぜお金を借りてまでギャンブルや娯楽をやめられないのか?
それは「快感」にあります。
パチンコや競馬で大勝ちしたときの「快感」が引き金になりやすいんです。
一度その快感を経験すると脳の「海馬」という場所に記憶され、同じ快感を再び味わうと海馬から以前より強い快感が呼び戻されるためにどっぷりハマっていきます。
ギャンブルで借金をしたくない人は、たとえ友達の付き合いでも、ギャンブルをやらないということが一番。
ビギナーズラックで勝ったばっかりに快感を忘れられずに、その後借金をするまでのめり込む人も多いそうです。
スマホ普及が借金を助長する結果に
興味深いのが借金の申し込み方法。
昔は自動契約機や直接お店に行くのが主流でしたが、インターネット登場してからは、ネットから申し込む人が増え、さらにスマホの普及によって、スマホから申し込む人が増加。
男女別に見ると、インターネットから申し込みが48%と断トツ。
興味深いのが男女別の割合で、男性が43.7%に対し、女性は58.6%と、女性のほうが多い結果に。
しかも男性はパソコンから申し込むことが多いですが、女性は圧倒的にスマホからの契約が多いです。
男性の1.7倍ほど。
普段使い慣れているスマホでいつでも手軽にお金を増やせるというのが、借金をする人の原因になっているようです。
ギャンブル大国日本
日本ほど街のあちこちでギャンブルが出来る国はありません。
パチンコ、競馬、競艇、競輪。さまざまなギャンブルがあります。
今話題になっているカジノを日本に作るかどうかの問題ですが、
「カジノを作ると借金をする人が増えるから反対!」と政治家のお偉いさん達がよくテレビで言ってますが、すでにギャンブル大国で、借金をする人まで生み出している現状はまったくノータッチですか?