以前、街中を歩いていると、座ってなにやら大きな声で、道ゆく人に向けて声を出している人が。
見た目は20代前半の男で、自分の横には大きなリュックと、前にはカンパ用の入れ物が置かれていました。
一瞬ホームレス?と思いましたが、その若者の前にいき、話の内容を聞いてびっくり。
「日本中を募金のお金で旅をしています!次は世界へ行くためのお金を集めているので、支援をお願いします!」
と、募金を集めていたんですよ。
横には今まで日本中で、旅の途中に取られた写真なども貼られていて、「こいつ本当に募金で日本中旅をしてきたんだ!すごい!」と、そのアイデアと行動力に感動して、もちろん、ぼくも募金をしました。
普通、「日本中を旅をしよう!そのあとは世界中を旅をしよう!」と決めたら、アルバイトなどをして貯めることを考えますが、まさか、募金を呼びかけて旅をするなんて、普通思いつかないし、思いついても「そんなことできっこない」と実行しませんよね。
あれには若者のパワーを見せてもらったよ。
さて、今回は若者の行動力の話ではなく、そんな若者がやっていた「募金」についての面白い研究があるので、紹介しますね。
コンビニや飲食店では募金をする気になれない
コンビニや飲食店で、レジの横に募金箱がありますよね。
正直ぼくはあまりここに募金をしたことがないです。
本当にきちんと使われているの?とちょっと疑ってしまう自分がいて、募金をするなら街で募金の呼びかけをしているところでします。
ずっと街中で立って募金を呼びかけて、頑張ってるなーと応援したなりますよね。
まぁ、そんな話はさておき、やっぱり、そういった何かしらの動機がないと、なかなか募金箱だけ置かれていても、募金をする気にはなれないのですが、その募金をしやすくする方法が、実は心理学であるんですよ。
募金をしてもらいやすくする方法
これは心理学者のロバート・チャルディーニの募金実験。
まずは4種類の募金箱を用意します。そして募金箱にはそれぞれ別の言葉が書かれています。
- いくらで、どうぞよろしく
- 1セントでも、どうぞよろしく
- 1ドルでも、どうぞよろしく
- 世界を変えるのはあなたです
この4種類をレジの横に置いて募金額の違いを実験します。
そして結果は箱によってかなり違いがありました。
一番よかったのは、「1セントでも、どうぞよろしく」で、募金総額の62%に達しました。
一番悪かったのは、「1ドルでも、どうぞよろしく」で募金総額の17%でした。
チャルディー二によると、募金箱にわずかなお金を入れるのはみっともないと考え、何もいれない人が多いという。
なので「1セントでもどうぞよろしく」と言うのはその迷いを吹き飛ばし、最低額の寄付を勇気づける言葉であるというのです。
逆に「1ドルでもどうぞよろしく」は、1ドル以下なら寄付してもいいと考える人が、その言葉をみると、自分がケチに思えてくるため、寄付しない傾向にあるというのです。
さらに、「募金箱の色」でも金額が変わってくるのがわかっていて、一番効果的な色は「赤」だったそうです。
つまり、「赤い募金箱」で「1セントでも、どうぞよろしく」と言葉を書くのが一番効果的に募金額を増やす方法です。
あの旅をしていた若者も、「赤い募金箱」で、「1円でもどうぞよろしくお願いします」と書いていたら、普通に呼びかけるより、もっと効果的に集まったかもしれませんね!
募金に携わっている人で、募金額を増やしたいと思っている人は取り入れてみてはどうでしょうか?